【高論卓説】日本企業にまかり通る「ウソ」 相次ぐ不正、経営トップは本当に反省しているのか? (1/3ページ)

東芝本社が入るビル=東京都港区
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 東芝、日産自動車、神戸製鋼所と、企業の不正が相次いで発覚している。日本企業はいつから「ウソ」がまかり通る組織になったのか。どうすれば、不正を根絶することができるのか。不正が発覚した企業はみな、謝罪会見を開いてトップが頭を下げてはいる。だが、本当に反省しているのか。見ていて疑わしい印象を受ける。

 東芝でも粉飾決算を行った歴代社長は逮捕すらされていない。粉飾、つまり有価証券虚偽記載罪はれっきとした犯罪だ。にもかかわらず、証券取引等監視委員会が求めても東京地検は立件に踏み切らない。理由は、当事者たちが容疑をかたくなに認めないためだとされる。つまり、トップたちは、「チャレンジとは言ったが、粉飾をやれとは言っていない」「自分が罪を犯したわけではない」と思っているのである。

 粉飾決算にしても、「会社のためにやったことで、悪いことをしたわけではない」というのが当事者たちの率直な思いだろう。欧米企業でしばしば起きる不正事件のように、経理帳簿を改竄(かいざん)して自分の懐にカネを入れたわけではない。あの段階で数字を作ってかさ上げしなければ会社が潰れて路頭に迷っていた。だから、仕方がなかったのだ。そう思っているフシがある。

どうすれば企業の不正は根絶できるのか