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ミドリムシでバイオ燃料、20年にも実用化 ユーグレナ社長に聞く (1/5ページ)

 □ユーグレナ社長・出雲充氏に聞く

 国内にはSaaS(サービスとしてのソフトウエア)やIoT(モノのインターネット)に関わるスタートアップ以外にも革新的な企業がある。たとえば、バイオテクノロジー企業にも成功例がある。その一つ、バイオテクノロジーの先駆けであるユーグレナの出雲充社長に画期的な事業について話を聞いた。ユーグレナの開発チームは、NASA(アメリカ航空宇宙局)でさえ失敗したようなことを成功させている。会社設立から4カ月後に、屋外で大量のミドリムシ(学名ユーグレナ)の培養に成功したのだ。それから12年がたち、ミドリムシの生産能力は向上。現在は生産したミドリムシを使って栄養素の高いサプリメントや化粧品、さらにはバイオ燃料の開発へと事業分野を広げている。

 --ユーグレナのお話を聞く前に、まずミドリムシとは何か教えてください

 「0.1ミリメートルぐらいのサイズの単細胞生物です。ちょうど人間の髪の毛の直径と同じぐらいですね。葉緑体があり光合成を行うので緑色をしています。藻に似ていますが、植物的性質と動物的性質のいずれも持っています。光合成をするので植物と分類されるのですが、細胞壁が薄く、鞭毛(べんもう)によって泳ぐことができます」

 --これまでのミドリムシの主な用途は

 「食品、そして栄養サプリメントとしての用途が主です。ミドリムシには食物繊維、葉酸、DHAなどが含まれていて、59種類もの栄養素を摂取することができます。植物のように直射日光のもとで育てることができますが、植物の特徴である硬い細胞壁を持たないので、人間や他の動物にとって消化しやすく栄養素を摂取しやすいのです」

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