酒類仕入れ価格上昇
だが、今回の鳥貴族の値上げには、もう一つ別の理由がある。
その理由というのが、6月から始まった「酒の安売り規制強化」だ。今回の改正酒税法は、居酒屋は規制の対象ではない。それにもかかわらず、「影響が出ている」(大手居酒屋チェーン幹部)という。
酒の安売り規制強化は、採算を度外視するような安売り業者に対し、酒類販売免許の取り消しなど厳しい処分を規定する。ディスカウント店などの安値攻勢で経営が苦しい“町の酒屋さん”を救うことを想定している。
規制対象は、酒類販売免許を持つスーパーやディスカウント店のほか、居酒屋などに酒を納入する業務用酒販店や卸業者なども含まれ、いずれも小売価格や卸売価格を引き上げている。スーパーなどでは規制強化後、直ちにビールの店頭価格が1割ほど上昇した。居酒屋も仕入れ価格の上昇を通じ、徐々に影響が出始めている。
もちろん、鳥貴族も例外ではない。ネット上では「割安感が強く、鳥貴族で絶対に注文すべき一品」などと紹介されているサントリービールの「金麦」大ジョッキ(700ミリリットル)。この看板メニューなども、仕入れ価格の上昇により、280円での販売が難しくなったのだ。