米金融市場は利上げ期に入り、この循環は既に逆回りしている。現在、最も懸念されているのが、過去の平均値から15%以上乖離(かいり)している中古車価格の調整だ。金利と中古車価格の水準いかんでは、想定以上の悪循環に陥りかねない。さらに、その悪化を加速化させる、テロを含めた地政学リスクも無視できない。トランプ政権の経済政策が大幅に遅れる中で、米国自動車販売は、細心の注意を払うべき局面に入ってきているといえるだろう。
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【プロフィル】中西孝樹
なかにし・たかき ナカニシ自動車産業リサーチ代表兼アナリスト。米オレゴン大卒。山一証券、JPモルガン証券などを経て、2013年にナカニシ自動車産業リサーチを設立。著書に「トヨタ対VW」など。