今回の値上げは、宅配便最大手のヤマト運輸も人手不足などから値上げを決めたこともあり、日本郵便内でも「理解してもらえるのでは」との雰囲気だ。
ただ、郵便事業のコストを補う事業の柱を構築できない限りは、将来の再値上げの可能性は高い。今春の日本郵政の取締役会でも「(再値上げなどの)料金体系を変えるチャンスだ」との声が出て、日本郵便幹部も、今回、値上げの対象にならなかった年賀はがきなども含めた抜本的な料金改革に理解を示したが、断念した経緯がある。
日本郵便関係者は「次は『1年ぶりの値上げだ』というわけにはいかないだろう」と、しばらくは再値上げは難しいとの見方を示す。
ユニバーサルサービス維持のための再値上げの理解を得られるためには、効率的な郵便事業の構築に加え、国際物流事業や不動産事業など新たな柱の育成も不可欠となりそうだ。(大坪玲央)