日本国外で実証実験
--自動運転車の実用化については、最大の障害が技術ではなく法整備であったり、責任の所在の明確化であったりします。日本の現状は
「ゆっくりとではありますが、前進しています。多くの業界団体が、法律を変えるために政府に働きかけていますが、時間はかかります。実際、私たちは実証実験を日本国外でもやろうと試みているんですよ」
--どのようなプロジェクトですか
「シンガポールには大きな港が2つあります。シンガポールは新技術に対して積極的なので、法律が問題になりません。そこで2つの港を結ぶ自動運転シャトルの実験ができます。技術的に試験が重要なのは言うまでもありませんが、有効なデータを集めて日本国内の現状を変える後押しになればいいですね」
--自動運転車に関する現状で一番変えたいことは
「日本の一般の人たちの自動運転に対する考えです。多くの人は高齢者や子供のためのもので、自分には必要のないものだと思っています。安全性に不安を感じる人も多いです。今後、技術が進めば誰もが自動運転車の恩恵を受けることができます。まったく新しい交通システムの在り方や、本当に利便性が高いとはどういうことなのか理解してもらえればと思います。そうしたサービスを提供するためには、国の垣根も超えて世界的プレーヤーとも協力していきたいと考えています」
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