【日本発!起業家の挑戦】なぜソフトバンクが自動運転? 社員が幹部説得、一年で会社設立へ (2/6ページ)

SBドライブの佐治友基社長
SBドライブの佐治友基社長【拡大】

 --ソフトバンクの一社員が幹部にアイデアを説明した経緯を教えてください。自分を新しい事業運営の先頭に立たせるよう、どうやって説得したのですか

 「昨年、社内で中長期戦略のプレゼン大会が開かれ、数ある応募の中から私の自動運転技術を活用した交通インフラのアイデアが2位になったんです。それから、経営幹部の会議でこの事業を説明し、議論を重ねるようになりました。幹部は素早く決断をして、大会から約1年後に会社設立となりました。驚くほどスムーズでした。私はソフトバンクの後継者発掘・育成プログラムである『ソフトバンクアカデミア』の1期生でもあります。社内にはこうした新しい事業を育てるプログラムがあります」

 --ソフトバンクほどの規模の会社がビジネスアイデアコンテストなどを成功させている例は極めて少ないと思います。何か秘訣(ひけつ)があるのでしょうか

 「幹部や社員がそうしたプログラムに真面目に向き合っている結果だと思います。ソフトバンクグループでは、アイデアが似ていたり、補完的なアイデアを持っている人がいたりすれば、他の部署やグループ会社の人でも積極的に協働することが推奨されています」

 「例えば、SBドライブのチームには、グループ会社のヤフーで自動運転に関する技術開発をしていた技術者や事業アイデアを練っていた担当者が加わってくれました。この事業に対して共通の情熱を持っていたので、チームを組むことは自然な流れでした。それまで一緒に仕事をした経験はありませんでしたが、プレゼン大会がきっかけとなって、声をかけ合いました」