--自動運転車の技術開発は世界中で進んでいます。テスラ、グーグル、ボルボなどが一歩リードしているように思いますが、日本は世界市場でどのような位置にいますか
「AIのような技術はほとんどがオープンソースなので競争的優位性はそれほどありません。日本には、地域特有の隙間産業があり、私たちはそうした分野で卓越した力を発揮できると思います。日本の超高齢化が進行する地域を念頭に、私たちは次世代交通システムのあるべき姿を検討することができます。日本の大都市では、狭い道路と車両の増加によって交通渋滞が進み、また駐車をするのもひと苦労です。こうした状況は、ドライバーがいなくても走る自動運転車をテストするのにはもってこいの試験場ともいえるのです」
--日本でうまくいく自動運転車はどんな先進国でもうまくいく
「はい。私たちはそう考えています」
--自動車メーカーは今後もドライバーの苦手な操作をカバーするようなスマート機能を増やしていくのでしょうか。それとも、完全自動運転まで技術が進むと思いますか
「完全自動運転車に挑戦すべきだと思います。問題は、自動運転のシステムが賢くなればなるほど、ドライバーは怠けものになるということです。システムとドライバーの両方が運転する仕組みは一番難しいと思います」