会見では、同社のキュレーションサイトの記事作成プロセスについて説明が行われた。DeNA社内のプロデューサーが社内外のディレクターに指示を出し、ディレクターはライターに直接、あるいは外部パートナー(クラウドソーシングサイトなどを指す)を通じてライターに原稿執筆を発注する。このほか、ライターが直接記事を投稿できるケースもあり、どうやって投稿された記事なのかは外からは分かりにくくなっていたという。
筆者が気になったのは「編集部(に相当するもの)がなかった」という点だ。メディアにおいて、記事の品質や内容の正確性を担保するためには編集部が必要だが、それがなかったと、小林氏は説明している。
また、「プロデューサー、ディレクターから、外部パートナーまたはライターに記事作成を発注する際において、他の方が作成された記事などを参考にする場合には、元の記事と同一の形にならないように作成するよう指導していたマニュアルがあった」とも小林氏は明言している。他の人が書いた記事を(適切な手順を踏んで)書き写すのであれば「引用」だが、元記事があることを知っていながらわざわざ書き換えていたならば、それは「盗用」である。
経緯説明と記事作成プロセスの説明のほか、取締役会で出た指摘を受けて、第三者による調査委員会を設置し、事実関係の調査を行っていくという。また今後の対策として相談窓口を開設すると発表。同社のサイトの情報によって健康被害を受けた人、また記事の正当性に懸念がある人は窓口から連絡が欲しいと話した。
守安氏、小林氏の説明のあとは質疑応答が行われ、会見は3時間にも及んだ。以下、筆者が特に気になった4点に絞って質疑応答の内容を紹介する。