ソニーが10年ぶりにロボット再参入 アイボの「生みの親」がすべてを語る (2/4ページ)

2016.11.26 16:01

 --ロボット事業ではソフトバンクがヒト型の「ペッパー」を手がけている。ヒト型ロボットには取り組まないのか。

 現時点では、AIが人間と自然な対話を続けるのは難しい。特にヒト型だと、「人間と同じように話してくれるだろう」と期待値も高くなってしまう。現時点では、ソニーがヒト型のロボットを手がける優先度は高くない。世の中の多くの製品は、単機能だ。用途に特化したロボット群という考えもある。アイボのようなペット型もその文脈で考えたほうが適切だろう。

 円筒形のアマゾン・エコーは、あくまでも「音声で指示を出す道具」だ。対話が不自然であっても、道具として便利であれば受け入れられる。形状は重要な要素だと考えている。

 --iPhoneにも「対話型」のAIの機能はある。それでも物理的な製品が必要なのか。

 その点は明確に「プロダクトをつくる」と考えてもらっていい。アマゾン・エコーに7つのマイクが付いているように、カメラやマイク、センサー群の構成はロボットにおいて非常に重要だ。マイクやカメラだけであれば、スマートフォンにも内蔵されているが、センサーとしての構成を考えると機能は限定的で、必ずしも十分ではない。

 これから起きるAIやロボットの普及は、社会基盤を大きく変えるだけのインパクトをもっている。我々がロボット事業を再び手がけるのは、機が熟しつつあるという認識に基づくものだ。企画している製品には、まだ市場が存在しないような、まったく新しいジャンルの製品もある。市場がどんな方向性で発展するかわからないため、「単発」での勝負は考えていない。複数の製品を次々と展開していく予定だ。そうした製品群が、他社製品やサービスも含めてネットワークで連携することで、全体のサービスがより充実していくという「エコシステム」をつくっていきたい。「点」ではなく、「面」で展開していくイメージをもっている。

アイボがエコシステムに加わる可能性は?

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