ホンダは15日、米カリフォルニア州サンフランシスコ郊外で、自動運転技術の実証実験を報道陣に公開した。ホンダは、運転手の操作なしで、信号を認識して円滑に右折する技術などの開発と実験を進めている。2020年に高速道路で自動運転を実用する方針で、右折する技術が必要になる信号機や交差点のある市街地への適用も視野に入れる。
試験は地方自治体が所有する旧海軍施設を利用して実施した。今は無人だが、かつては軍人とその家族らが暮らしていたため、道路や線路といった街並みが残っている。自動運転を安全に実証する場所として適しているため、ホンダ以外の自動車メーカーも利用しているという。
この日は、高級車ブランド「アキュラ」の上級セダン「RLX」をベースにした自動運転の試験車を使って、交差点やT字路など市街地を再現した1周約2.5キロのコースで実験を行った。カメラ3台やミリ波レーダー、レーザーなどを搭載した試験車両は、周囲の障害物や白線などを認識してスムーズに自動走行した。
ホンダは同施設内で異なる道路環境を再現し、国や地域で異なる法規への対応を目指している。
研究担当者は「市街地は歩行者がいるなど難易度が上がるが、解決策を見つけたい」と述べた。(コンコルド 会田聡)