MRJ、最大の難関は安全性の認証 初挑戦ですんなりクリアできるか

2016.11.7 14:00

試験拠点の米ワシントン州グラントカウンティ国際空港を離陸するMRJの試験1号機=10月17日(三菱航空機提供)
試験拠点の米ワシントン州グラントカウンティ国際空港を離陸するMRJの試験1号機=10月17日(三菱航空機提供)【拡大】

 MRJの実用化に向け、最大の難関は国による安全性認証「型式証明」の取得だ。飛行試験の結果を見ながら、問題点を改善していかなければならない。初挑戦の三菱航空機が、膨大な審査項目を順調にクリアできるかが注目される。

 型式証明は民間の新型機を開発する際に、国土交通省が機体の型式ごとに安全基準を満たしているかどうかを審査する制度。証明がなければ旅客機として運航できないため取得が大前提となる。

 国交省の航空機技術審査センターが担当し、三菱航空機は設計図面や試験データなどの資料を提出して安全性を証明する。審査基準は飛行や耐久性など約400項目に上る。同センターの北沢歩所長は「実際に飛べば、設計段階では見えなかったことが初めて見えてくる」と指摘した。

 三菱航空機は初飛行後の昨年12月、主翼の付け根部分の強度が基準に達していなかったと発表。地上試験の回数を予定より増やす決定もして、初納入時期を延期した。今後も重大な課題が見つかれば、納期にさらに影響する恐れがある。

 同社の岸信夫副社長は「実績がある大手と違い、一つの基準に対しどこまで踏み込んで何を証明すればいいかという経験則がなかった」と初挑戦の苦労を明かす。

 型式証明は機体が就航するそれぞれの国から取得する必要がある。長らく旅客機開発がなかった日本の審査の信頼性が乏しいと判断されれば、海外での認可に時間がかかる可能性も残る。航空機技術審査センターは米連邦航空局(FAA)から助言を受け、審査能力向上に努めているという。

 燃費など機体の性能を高めていく作業も同時進行だ。岸副社長は「安全性を確保しながら、乗客が乗りたくなる飛行機を造ることが使命だ」と力を込めた。

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