中国や東南アジアからの技能実習生や留学生を積極的に受け入れる中堅・中小企業が増えている。しかも労働人口の減少による働き手不足を補うための安価な労働力としてではなく、今後の海外展開に不可欠な現地の中核人材に育てるのが狙いだ。日本での就職を希望する実習生・留学生も、日本の生産方式や経営手法を学んで将来の起業に備えるという高いモチベーションの持ち主が多く、両者の思惑が一致する。企業の外国人採用支援に特化した紹介ビジネスを展開する企業も現れた。
清掃FC展開に布石
「日本で学んだことを帰国して母国で生かしてほしい」
ビルメンテナンスなど環境衛生事業を手掛けるアイ・ビー・エス(川崎市中原区)の矢野智之社長は、来年4月採用予定のミャンマー人実習生にこんな期待を寄せている。
ラストフロンティアといわれるミャンマーのヤンゴンに今年6月、市場開拓を狙って現地法人を設立した。まずは現地に進出した日系企業に清掃サービスを提供するが、将来のフランチャイズ展開などを踏まえ清掃員への教育を開始。同時に実習生を受け入れ、「においや細菌といった『目に見えない』ものまで取り除く」同社独自のノウハウを習得させ、現地で環境衛生ビジネスを任せられる人材に育て上げる。
同社が実習生を受け入れるのは初めて。思い通りの人材を採用できるか不安の中、選考を任せているのがアジア人材を日本企業に紹介するPeople Worldwide(東京都港区)だ。