日系企業、アジア人留学生の受け入れ増加 海外展開の主戦力期待 (3/4ページ)

ASIALink主催の合同就職マッチング会「社長LIVE」。企業12社・留学生95人が参加した=3月4日、東京・両国
ASIALink主催の合同就職マッチング会「社長LIVE」。企業12社・留学生95人が参加した=3月4日、東京・両国【拡大】

 留学生を新卒採用

 新卒採用の一環として留学生をターゲットに据える企業も出てきた。

 機能性フィルムや粘着シールなどを生産するコスモテック(東京都立川市)は必要に応じて留学生を採用している。高見沢友伸社長は「日本文化や習慣をよく知っているので、会社にも仕事にもなじみやすい」と指摘する。その上で「海外進出先の文化・商習慣を知り、ビジネス言語も翻訳できる」と受け入れメリットを強調。留学生を海外進出には欠かせない戦力と位置づける。

 同社は顧客の中国進出に伴い02年11月に江蘇省蘇州に工場を設立した。それに先立って採用した中国人留学生が日本人責任者の右腕となって動き回った。その後も中国人脈を構築し現地メーカーの開拓に成功した。その活躍ぶりが認められ蘇州工場の総経理(社長)に抜擢(ばってき)され、コスモテックでは唯一、社員から取締役にまで上り詰めた。

 今では売り上げの75%を中国が占めるため、中国人留学生を13年、14年と続けて採用した。

 このときに利用したのが留学生専用の人材紹介を手掛けるASIA Link(東京都小平市、11年10月開業)。同社主催の合同就職マッチング会「社長LIVE」に参加して採用を決めた。

 今年は3月4日に開催、留学生の採用に意欲的な企業12社と日本で働きたい留学生95人が参加した。採用にかける熱い思いを語る社長に対し、留学生はキャリアパスや待遇などについて質問。9社・15人が意気投合し内定が決まったという。

日本の企業文化を数年学ばせた後、現地拠点のリーダーとして派遣。将来は…