町の印刷所が開発した「おじいちゃんのノート」 ショウワノートと組んで来春量産化へ (2/2ページ)

2016.8.29 14:00

1冊ずつ手作業でノートを製造する中村印刷所の中村輝雄社長=東京都北区
1冊ずつ手作業でノートを製造する中村印刷所の中村輝雄社長=東京都北区【拡大】

 するとその情報はすぐに拡散し、ネットメディアなどで話題になり、瞬く間に在庫は一掃。さらに3万冊以上の受注残を抱える事態になった。実はナカプリバインは手作業で生産しており、1日に300冊を作るのが精いっぱいだった。

 「日本の将来を担う子供たちに良質なノートを届けることで、学習に取り組む意欲を後押ししたい」(中村社長)との思いから、学習帳大手のショウワノートとの間で6月30日付で水平開きの小学生向けのノートを製造・販売する契約を結んだ。すでに量産試作品の開発に着手。今秋には小学校の現場で実際に児童に使ってもらい、罫線のデザインや強度などの使い勝手を調べ、2017年春の商品化を目指す。

 10日には「おじいちゃんのノート~下町の職人魂がオンリーワンを生んだ」と題した本を上梓(じょうし)した。中村社長は「勉強嫌いの子もこのノートがきっかけで勉強好きに、そしてものづくりの大切さも分かってもらえたらありがたいですね」と話す。

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【会社概要】中村印刷所

 ▽本社=東京都北区滝野川6-46-10

 ▽設立=1938年7月

 ▽資本金=1000万円

 ▽従業員=4人

 ▽事業内容=印刷および製本

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