電力自由化「安い」だけでは勝てない 関電うらやむ大ガスの“取りに行く営業” (4/4ページ)

電力販売をPRするのぼりが掲げられた大阪ガスの「ハグミュージアム」=大阪市西区、今年4月
電力販売をPRするのぼりが掲げられた大阪ガスの「ハグミュージアム」=大阪市西区、今年4月【拡大】

  • 電力自由化に向けて増設された大阪ガスのコールセンター=大阪市西区のドームシティガスビル、今年2月(宮沢宗士郎撮影)

 関電、値下げしても警戒緩められない

 顧客を奪われる一方の関電も、大ガスが契約件数を堅調に伸ばしていることについて「サービスショップが非常にうまく機能している」(関電首脳)と分析する。そして「我々にないのは営業力」(幹部)と少々自虐的だ。

 首都圏では、大ガスと同様にガスのサービスショップをベースにした営業方法を取る、都市ガス最大手の東京ガスがすでに初年度目標40万件の契約を達成、目標を53万件に引き上げた。大ガスも来年3月まで半年以上を残し、目標の20万件に向けて着々と件数を伸ばしている。

 原発再稼働が見通せない関電も今秋に家庭用電気料金の実質的値下げに踏み切るが、強力な営業力をもつ大ガスのサービスショップの存在が引き続き脅威であることは変わらない。