電力自由化「安い」だけでは勝てない 関電うらやむ大ガスの“取りに行く営業” (3/4ページ)

電力販売をPRするのぼりが掲げられた大阪ガスの「ハグミュージアム」=大阪市西区、今年4月
電力販売をPRするのぼりが掲げられた大阪ガスの「ハグミュージアム」=大阪市西区、今年4月【拡大】

  • 電力自由化に向けて増設された大阪ガスのコールセンター=大阪市西区のドームシティガスビル、今年2月(宮沢宗士郎撮影)

 大ガスが電力販売の営業を本格的にスタートさせた今年の年明け以降、サービスショップの営業マンがタブレット端末を持参して各家庭を訪問。関西電力や他の「新電力」が、それぞれの店舗やコールセンター、専用のサイトなどで新料金プランの申し込みを受け付ける「受け身の営業」だったのに対し、大ガスは自ら出向く攻めの営業を展開してきた。

 シミュレーションによって「安さを実感し、納得して決めてもらう」(大ガス幹部)営業手法で、実際に電力小売り全面自由化が始まる3月末までの契約獲得件数は初年度目標の20万件の半分の10万件に到達するなど、サービスショップの足で稼ぐ営業が奏功した結果になっている。

 自由化の直前、サービスショップ「サンク」の谷口常務も富田林市の主婦宅を訪れ、大ガスの電気を提案していた。新料金プランでシミュレーションをしたところ、従来より1年間で5千~6千円程度安くなるとの試算が出たため、大ガスに切り替えることを決めたという。ただ価格の安さが決め手となったのはもちろんだが、主婦は切り替えた理由を「普段から付き合いがあるし、大ガスやショップへの信用もあるから」とも強調している。

顧客を奪われる一方の関電も、大ガスが契約件数を堅調に…