株主からの質疑では、孫正義社長(58)の在任期間、後継者についての質問が会場を沸かせた。
一般株主 「今回は選任案が取り下げられたが、ニケシュ・アローラ副社長については昨年は反対とさせていただいた。それはアローラ氏個人の問題ではなく、孫社長の後継者は人類の中にはいないと思ったから。99歳までやっていただきたい。先ほどの説明のように、ロボットが人間の知能を超えるのなら、後継者はロボットにしたらいい」
これに対し、孫社長は従来、公にしていた60代での引退を強調した。
孫社長 「19歳の時、60代でバトンタッチすると決めていた。69歳までは60代だが、しがみついていると言われたくなかったので60の誕生日に辞めようと考えていた。現在も、69歳までには社長、CEOというタイトルは譲ろうと思っている」
話は再び、アローラ副社長退任の件に戻る。
孫社長 「鏡を見てさらに毛が抜け、真っ白くなったのに気づき、今回悩んだなあ、と思い知らされた。彼(アローラ氏)が一番の被害者で、本当に申し訳なかった。高給を取りすぎているという声もいただいたが、彼はグーグルでも報酬は1番高かった。そのままいれば安泰のところを、リスクを犯し、人生を懸けて来てくれた。それなのに、私のわがままを聞いてもらった。絶対そうする(60歳で禅譲)という確約は彼にはしていなかったが、申し訳ないことをした。私が老害になってはいけないが、十分見極め、最低5年、おそらく10年近くは社長のまま行きたい。今回の決意だ」