三菱自動車の益子修会長は21日、燃費データの改竄(かいざん)問題発覚後、中止してきた軽自動車4車種の生産・販売を7月上旬にも再開することを明らかにした。国土交通省が同日、問題のあった軽4車種について量産に必要な「型式認定」を取り消さず再開を容認する方針を固めたため。また、問題車両のユーザーに代わって負担する「エコカー減税」の返納額が80億~90億円に上るとの見通しも示した。
益子会長は21日、軽4車種の燃費修正値などを国交省に届け出た後、記者団の取材に応じ、軽の生産・販売の再開時期について「7月上旬を目指して作業を進めていきたい」と述べた。
生産・販売を再開するのは三菱自の「ekワゴン」と「ekスペース」、日産自動車向けの「デイズ」と「デイズルークス」。三菱自は、燃費不正を公表した4月20日から、同社水島製作所(岡山県倉敷市)で4車種の生産を止めていた。
一方、三菱自は、燃費不正を受け「未公表」としていた平成29年3月期の業績見通しを22日に公表すると発表。28年3月期に725億円の黒字だった連結最終損益は一転、8期ぶりの赤字に転落する公算が大きい。