三菱自動車の燃費データ不正問題の発覚から20日で1カ月が経過した。高い燃費目標に技術が追いつかず開発部門がデータ改竄(かいざん)などの不正に手を染めたことがこれまでに判明。問題を見抜けなかった責任を取って相川哲郎社長と中尾龍吾副社長が6月24日付で辞任する事態に追い込まれた。三菱自は資本業務提携する日産自動車から近く開発部門のトップを招いて、開発体制の解体的出直しを急ぐ。
三菱自が燃費不正を公表したのは4月20日。軽自動車4車種の燃費試験で意図的に燃費を良く見せる改竄があったとして対象車種の生産や販売を停止した。その後は「芋づる式」に不正が発覚。軽4車種以外に、20年以上前から規定とは異なる試験方法で燃費データを測定したり、法令上必要な車両の走行試験をせずに机上計算だけで走行データをまとめたりしていた。
今月18日に三菱自がまとめた不正に関する調査では、軽でデータ改竄を起こした問題の背景について、ライバルとの燃費競争に勝つため「経営陣からの強い期待」があったと説明。開発日程や燃費目標に関する経営陣の発言が不正を生む環境をつくったと認め、相川社長と中尾副社長が辞任することを表明した。