三菱自の連結売上高に占める国内比率は、約2割にすぎない。しかし、国内販売の半減が続けば、国内事業は赤字に陥り、業績全体に影響を及ぼすのは確実だ。
三菱自は今回の燃費不正問題を受け、28年3月期連結決算を修正し、191億円の特別損失を計上した。燃費データを改竄していた軽4車種のガソリン代の差額と、エコカー減税に関する追加負担の肩代わり分を引き当てた。
だが今回の補償額には、下取り価格の下落で損失を被った所有者への対応費用や、取引先への補償などは含まれていない。今後、追加の補償額を検討し、29年3月期に損失として計上するが、販売の激減と補償費用拡大は、三菱自の経営に大きな重しとなる。
三菱自は日産自動車と資本業務提携し、再建を目指す。だが、企業風土にはびこる“不正体質”を一掃するのは容易ではない。(今井裕治)