全日本空輸と日本航空の8~9月分の燃油サーチャージ(特別付加運賃)の額が9日、出そろった。航空機燃料ケロシンの相場安を反映し、両社とも4~7月に続いてゼロとする。海外渡航時の運賃負担が軽く済み、夏休みの旅行需要の追い風となりそうだ。
燃油サーチャージは国際線の旅客から徴収しており、その額はシンガポールケロシン市況の平均価格に基づき2カ月ごとに見直している。国内発券分は、1バレル=6000円を下回ればゼロとする規定。直近のピークは2012年12月~13年1月で、最も高い欧米方面などの路線で片道2万6000円にまで高まったが、今年4月に6年7カ月ぶりでゼロとなった。
日本を訪れる外国人観光客は昨年2000万人に迫るまで急増した一方、日本人の出国者数は3年連続で減少している。旅行業界は「燃油サーチャージが安くなれば、海外旅行人気の復活の一助になる」(JTB)と期待している。
ただ、1月時点で1バレル=30ドル台前半だったケロシン相場は、足元で同60ドルに迫っている。円相場にも左右されるが、10月以降はサーチャージが復活する可能性が高い。