NXについては内容が一切明かされていないが、ファンの間では「スマホと連携するのでは」との見方がある。ソフト開発のある企業関係者も「スマホと家庭用ゲーム機がうまくつながって遊びが広がっていく状況を生み出してほしい」と期待する。
任天堂はスマホ向けの分野で布石を打ってきた。
今年3月に第1弾のアプリ「Miitomo(ミートモ)」の配信を開始。国内だけでなく海外15カ国を含む全世界でのダウンロード回数が4月下旬で1千万回を超えるヒットとなり、改めて同社の持つ世界的な影響力を見せつけた。
秋には「ファイアーエムブレム」と「どうぶつの森」という2つの人気コンテンツを使ったアプリの配信を予定するなど、来年3月までに計5本程度のアプリを提供するとしている。
一方、ライバルのソニー・インタラクティブエンタテインメントは今年10月、据え置き型ゲーム機「プレイステーション4」に接続して利用するVR端末を発売予定だ。VRを導入したゲーム機は特に米国で先行して人気を呼んでいる。
君島社長は「VRのゲームを出すかはまだ決めていない。関心を持たれていることは認識しており、無関心ではない」と述べるにとどまった。スマホやVRといった新しい市場で任天堂が後れをとっていることは否定できず、NXで本格的な巻き返しを図っていくことになりそうだ。