3DSは裸眼で3D(立体)映像がみられるという最先端の液晶技術を取り入れながら、同時発売の有力ソフトが少なく、旧型機ほど販売が伸びなかった。現行の据え置き型ゲーム機「WiiU(ウィー・ユー)」が不振にあえいできたのも、ソフトに恵まれなかったことが大きい。
WiiUの28年3月期のハード販売数は国内で80万台(前期53万台)で、発売以来初めての増加となった。昨年5月に発売した任天堂の独自ソフト「スプラトゥーン」が記録的なヒットを飛ばすなど、ソフトの好調がハードを押し上げたことは間違いない。
一方、スマートフォン向けゲームの市場拡大や仮想現実(VR)を使ったゲームの登場など、ゲーム業界がハードの技術面で大きく変わりつつあることも、NXとは無縁でなさそうだ。
君島社長は会見でこうも語っている。
「ゲームは日用品のように市場が最初からあるものではない。今までと違ったものを提供しなければならない。どれだけ驚きを提供できるか。NXはハード、ソフトの一体型で、新しいコンセプトの遊びを体験できる」
ソフトの充実とともに、NXの成否を左右するのは「新しいコンセプト」、つまりハードの設計だ。
18年に発売されて歴史的なヒット製品となった、WiiUの旧型機「Wii(ウィー)」は、テレビ画面とリモコンの無線通信で直感的な操作を実現。楽しんで運動できて日常生活に取り入れやすい「WiiFit(ウィー・フィット)」などの斬新なソフトとの組み合わせで、ゲーム人口を拡大した。