燃費データの不正問題に揺れる三菱自動車は18日、問題の責任を取って相川哲郎社長(62)と中尾龍吾副社長(63)が引責辞任すると発表した。6月24日付。後任の社長は、今後の取締役で決めるとしたが、当面は益子修会長(67)が兼務して、日産自動車との資本業務提携の調整にあたる方向だ。三菱自はまた、益子氏の役員報償の全額返上と、開発部門のトップを日産から招く考えも、明らかにした。
相川氏は、三菱自の生え抜きで開発部門が長く、中尾氏も現在、開発部門のトップを務めている。いずれも燃費データ改竄(かいざん)への関与は否定しているが、開発部門で発覚した不正問題の経営責任は重いと判断した。
相川氏は会見で、「お客さまをはじめ、関係者に大変なご迷惑とご心配をおかけした責任を取って社長を辞任する」と述べた。辞任は日産との提携を発表した今月12日に決断したという。
一方、益子氏は、自身が続投する理由について「日産との資本提携に向けた交渉を行うことと、提携のシナジー(相乗)効果を見極めること」などを挙げた。益子氏はまた、6月24日の株主総会後に予定していた監査等委員会設置会社への移行を、取りやめることも明らかにした。