対策費は保有者向けにとどまらない。関係企業に対する補償が必要になるためだ。日産は、今回の三菱自の不正で軽自動車の販売停止に追い込まれており、販売店では軽を売れない「機会損失」の形で影響が顕在化している。今後、日産に対する損失穴埋めなどで費用が膨らむ可能性もある。
三菱自の下請け部品メーカーへの損失補償も避けられない。三菱自は今回の問題で軽自動車を生産していた水島製作所(岡山県倉敷市)の操業を停止。同製作所には、主に岡山県内の下請け企業が部品を供給しており、取引先の操業にも影響が生じている。三菱自では、不正問題に関する第三者委員会の調査は7月頃までかかるとしており、取引先の個別の状況に応じて、支援の詳細を詰める方針だ。
一方、三菱自では、軽4車種のデータ改竄以外でも、過去25年間にわたり道路運送車両法の規定と異なる方法で燃費を計測する不正も判明している。この問題でも何らかの補償を迫られる可能性もありそうだ。