シャープの支援をめぐって鴻海と争奪戦を繰り広げた官民ファンド、産業革新機構は、シャープの白物家電事業に、赤字体質が続いていた東芝の同事業を組み入れることを検討。シャープの独創性や技術力を白物家電事業の業界再編の要とする考えだった。
ただ、シャープは2月に経営再建のスポンサーに鴻海を選び、東芝は3月に白物事業を中国・美的集団に売却することを決めてしまった。革新機構の関係者は「国内企業で再編するという大義名分がひとつなくなった」と述べ、すでに未練はない様子だ。
蚊取空清の6年間という開発期間について、シャープ関係者は「長すぎる」としながらも「部下が仕事の合間にアイデアを練り、上司も好きにやらせる風土があって独創的な家電が生まれる」と話す。鴻海傘下に入った場合にシャープの風土がどうなるかは未知数といえる。