日本企業に対するM&Aは、件数ではすでにアジア企業が台頭しているとはいえ、金額の合計は大きくない。M&A助言のレコフによると、昨年は北米の企業が88件に対しアジア企業は77件。その一方で、総額になると北米の4015億円に対しアジアは2368億円と半分程度だった。
今回の大型買収が、こうした状況を変える可能性がある。鴻海のシャープへの出資額は3888億円で、アジア企業による日本企業へのM&Aでは過去最大。1985年以降の海外企業の日本企業に対するM&Aで9位になる。
今年すでに5309億円
今年は中国・美的集団による東芝の白物家電事業買収もあって、レコフの集計ではアジア企業による日本企業へのM&Aの総額は3月末までで5309億円と急拡大している。