NTTグループの設計・エンジニアリング会社、NTTファシリティーズは、温室効果ガス排出や電力消費を最大で40%抑えることができる人工知能(AI)による水冷式の空調制御システム「SmartStream(スマートストリーム)」を改良し、空調機やポンプなど空調設備内の各機器に段階的に導入できる「スマートストリームX」を開発した。
今年から販売を開始し、2017年度までに36億円の売り上げを目指す。
◆段階的に制御盤を導入
スマートストリームXは、病院や体育館といった大型公共施設や大型商業施設などに組み込まれている既存の水冷式空調設備に導入する制御システム。冷却塔で冷やされた水を送り出すポンプ、冷たい水で冷やされた空気を室内に送る空調機など水冷式空調設備の中の主要な4機器(冷却水ポンプ、熱源機・1次送水ポンプ、2次送水ポンプ、空調機ファン)に段階的に制御盤を導入できるのが、従来のスマートストリームとの最大の違いだ。
制御盤には24時間、温度や湿度などの快適さと省エネを両立させるAIが組み込まれており、AIが室内の温度や湿度などの状況を判断し省エネと両立させながら快適な室内空間を提供する。また、制御や監視をパソコンやタブレット端末で遠隔操作するため、第3世代(3G)携帯電話回線につながる小型通信機器も制御盤には組み込まれている。
従来のスマートストリームは、水冷式空調設備内の主要な4機器を一括してAIで最適制御するシステムだったため、導入費用は工事費用も含めて数千万円に上っていた。