中国リスク高まり“共同防衛” 新日鉄住金の日新製鋼買収 国際競争へ体力強化 (1/4ページ)

2016.2.2 06:35

新日鉄住金による日新製鋼の子会社化について記者会見する新日鉄住金の進藤孝生社長(左)と日新製鋼の三喜俊典社長=1日午後、東京都中央区

新日鉄住金による日新製鋼の子会社化について記者会見する新日鉄住金の進藤孝生社長(左)と日新製鋼の三喜俊典社長=1日午後、東京都中央区【拡大】

 鉄鋼国内最大手の新日鉄住金は1日、2017年3月をめどに業界4位の日新製鋼を子会社化することで両社が合意したと発表した。両社の社長は同日都内で記者会見し、新日鉄住金の進藤孝生社長は「厳しい事業環境で強固な収益基盤を維持するには、経営資源を持ち寄ることが必要との認識で一致した」と話した。これにより、鉄鉱石から粗鋼を作る高炉を保有する国内の鉄鋼メーカーは新日鉄住金とJFEホールディングス、神戸製鋼所の3陣営に集約される。また、ステンレス鋼で約5割のシェアを持つ一大勢力が誕生する。

 呉の高炉1基休止

 新日鉄住金は日新製鋼に約8%を出資する筆頭株主。今回の合意に基づき出資比率を「51%から66%の範囲」に引き上げる。正式な比率は5月中旬をめどに発表する予定で、日新製鋼は子会社になった後も上場を維持する。

 「中国の過剰生産で、鉄鋼業を取り巻く環境が大変悪化している」。会見で進藤社長は、日新製鋼の子会社化に踏み切る理由をそう語った。

 新日鉄住金の傘下入りを決めたのを機に、日新製鋼は呉製鉄所(広島県呉市)にある高炉2基のうち、19年度末までに1基を改修した後、残りの1基を休止する。中国メーカーの過剰生産による市況悪化が続く中、合理化を進め、国際競争力を高めるのが狙いだ。

高品質の製品を手掛け、それほど競合しない日本メーカーも輸出採算が悪化

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