塗り直し、塗り直し…今後の対策費3000万円
野外展示のため、これまでに数回、車体の塗り直しを実施。だが、新幹線の塗料は特殊で、実際とは違う色合いになり、鉄道ファンから「本物と違う」と落胆の声が相次いで寄せられたという。
このため、市は来年度に予算措置を講じ、本来の色に沿った塗り直しをするとしている。ただ、車体そのものの劣化対策を含め、かかる費用は約3千万円。市関係者は「正直こんなにかかるとは」と頭を抱える。
また、0系が評判となり地域以外からも大勢が訪れた結果、新たなトラブルを生むケースもある。関東地方の自治体は0系を地域住民の集う施設として展示開放しているが、連日のように鉄道ファンが訪れ、一部が座席を損傷させるなどの行為もあったという。
担当者は「お願いだから静かな余生を送らせてほしい」と悲鳴を上げている。
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0系新幹線 東京五輪開会式を9日後に控えた昭和39年10月1日の東海道新幹線開業とともに運行された初の新幹線車両。最高時速200キロ超の「ひかり」は当時夢の超特急といわれた。定期運転は平成20年に終了。東海道・山陽新幹線で44年間にわたり活躍し、丸みを帯びた流線形のデザインで「団子鼻」の愛称で親しまれた。19年には日本機械学会が認定する「機械遺産」に選ばれた。