JR西によると、現存する「最後の0系」は2両だけで、吹田市のほかは、製造元の川崎重工業(神戸市)が兵庫工場で保存・展示。川崎重工業は、日本の高い技術力を示した歴史的に貴重な資料だとして有償で提供を受けた。一方の吹田市は、無償で譲り受けたもののJR西側に返却を打診したこともあったという。
吹田市は昨年、周辺に公園を整備し、現地で公開する方針を決定したが、実現まで数年かかる上に、劣化部分の修復などで多額の費用がかかる可能性がある。
新幹線初の車両「0系」は資料的価値が高く、引退後も国内だけでなく海外の博物館でも展示されるなど幅広く活用されている。客らを呼び込む“起爆剤”になったケースもあるが、明確な計画がなく譲り受け約7年も放置していたことが今回判明した大阪府の吹田市同様に維持管理に問題を抱える場合もある。