ロッテホールディングス(HD)は9日、グループの中核で製菓大手ロッテの株式上場を検討していることを明らかにした。ロッテグループは経営権をめぐり創業家一族が対立しており、上場することで経営の透明性を高め、企業価値の向上を目指す。上場が実現すれば、菓子メーカーでは2011年に上場したカルビー以来の大型案件となる。
日韓で事業を展開するロッテグループは韓国側の事実上の持ち株会社、ホテルロッテを来年上期に韓国で上場する方針を打ち出している。ロッテHDの広報担当者は同日、「ホテルロッテの上場が実現した後、ロッテの日本における上場について検討に入る」と話した。
経営権をめぐる創業家の対立が長引けば、事業面で悪影響が広がる恐れがある。上場することにより、企業統治を強化するとともに、同族色が強い社風を改めたい考えだ。また、復権を狙う長男を牽制(けんせい)する意味合いもありそうだ。