長距離伝送などに対応
NTTが1日に発表した、光ファイバーの伝送距離が伸びるに伴って生じる情報のひずみを元に戻す世界初の新技術が注目を集めている。現在のデジタル処理によるひずみを補正する技術に比べ、電力消費量を10分の1以下と大幅に減らすことができ、今後10年で現在の10倍に増えると見込まれる情報量の増大や長距離伝送にも対応している。
スマートフォンなどモバイル端末の普及により、インターネットの情報通信量は増大を続けており、光の送信出力を上げることで、通信量の大容量化や東京から名古屋、大阪といった数百キロから千キロの長距離送信に対応してきた。しかし、光ファイバーには、送信出力を強くするほど、送信する信号情報にひずみが生じて正確な情報を送れなくなり、送信距離も短くなり、現状の送信距離を維持できなくなるという問題があった。
NTT先端集積デバイス研究所の竹ノ内弘和主幹研究員によれば、ひずみが生じると「早口でしゃべりすぎると、相手によく聞き取れないような状態」に近くなるという。