アジア最大級の家電・ITの見本市「CEATEC JAPAN(シーテック・ジャパン)」が7日、千葉市の幕張メッセで開幕した。出展企業数が過去最低を更新する中、会場で特に目立ったのは電子部品や制御機器など、ビジネス向け製品を扱う企業のブースだった。すべてのものがインターネットにつながる「インターネット・オブ・シングス(IoT)」関連市場の拡大が確実視される中、基幹部品となるセンサーの高精度化や小型化で存在感を示した。ウエアラブル端末や自動運転技術への応用でも技術力をアピールしている。
「ものづくりは今、転換点を迎えています」。人だかりができたロームのブースでは、約70センチの「折り鶴」が宙を舞っていた。加速度センサーや軽量化したマイコンボードを搭載し、翼の動きを制御して飛ぶ。同時に無線通信を行い、センサーなどから得られたデータを外部と共有できる。IoTの実現で、これまでになかった製品をつくることができるというデモンストレーションだ。
センサーの超小型化も、新しい商品を生み出しそうだ。中国企業が試作した「スマート箸」を展示していたのはTDKのブース。先端に同社のIC内蔵基盤を応用した約3ミリの超小型モジュールを搭載。天ぷら油の温度や食べ物の塩分量を測るなどの機能が想定されている。