住宅建築の現場では、工場生産化率を増やし、なるべく現場での作業を減らす取り組みが進化している。積水化学工業は、16年度までの3年間に国内の住宅生産8工場に総額170億円を投資。産業用ロボットの導入で自動化を進めるとともに、施工現場での作業を工場内に取り込み、生産性を向上させる。
直近では現場で取り付けていた太陽光パネルを、工場で屋根に取り付けることで作業を効率化し、価格を引き下げた新商品を発売した。今後、他の商品にもこうした工夫を導入し、「工場でなるべくものを作って現場では省施工とする」(積水化学工業住宅カンパニーの関口俊一プレジデント)ことで、人手不足と資材価格高騰の影響を吸収したい考えだ。
就業者数が半分に
昨年4月の消費税率引き上げに伴う住宅着工の反動減によって、戸建て住宅の場合、職人不足は若干緩和された。だが、ポラスグループの中内晃次郎代表は「(足元の)木材のプレカット事業の受注が増えており、秋口から再び確保が難しくなってくるはず」と指摘する。