同社の宇宙防衛事業部、谷本和夫事業部長は「最先端と思われがちな宇宙産業だが、実際は毎日が試行錯誤。意外と泥臭いんですよ」と話す。
今後の宇宙関連産業は新興国が牽引(けんいん)役になるともいわれ、新たな市場で厳しい価格競争を勝ち抜くことが求められる。同社の強みはこの“泥臭い”作業の中にあるともいえる。(大橋拓史)
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【会社概要】明星電気
▽本社=群馬県伊勢崎市長沼町2223((電)0270・32・1111)
▽設立=1938年2月20日
▽資本金=29億9600万円
▽従業員=351人(連結、2015年3月31日時点)
▽売上高=74億5000万円(同、15年3月期)
▽事業内容=気象、地震、防災、宇宙、通信、航空など向け測定機器の開発、製造
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≪インタビュー≫
□石井潔社長
■海外受注獲得し売り上げ増加
--自身はIHIの出身。明星電気の印象は
「宇宙分野ではIHIはどちらかというとロケットなどの推進系がメーンで、いわば肉体系。明星はセンシングと呼ばれる頭脳や目などの役割を担う分野が得意。3年前にIHIグループに入ったが、IHIにはないユニークな事業を展開していて、相互の強みをグループで生かせると思った」
--宇宙事業の位置付けは
「当社は気象・防災分野と、宇宙・防衛分野が2本柱。今は宇宙分野の売り上げが全体の3分の1ぐらいだが、将来的には全体のボリュームを上げつつ半分ぐらいには成長させていきたい」