【群馬発 輝く】明星電気 民生品活用で低コスト宇宙関連機器 (2/5ページ)

2015.6.18 05:00

明星電気の宇宙関連機器は微細なちりの侵入を防ぐ「クリーンルーム」で開発・製造される=群馬県伊勢崎市

明星電気の宇宙関連機器は微細なちりの侵入を防ぐ「クリーンルーム」で開発・製造される=群馬県伊勢崎市【拡大】

  • 石井潔社長
  • 小惑星の水の分布状態を検知する「NIRS3」(模型)

 また、同社は近赤外線分光計「NIRS3」も担当。NIRS3は、はやぶさ2本来の目的である惑星に含まれる水の量を解析する装置で、地球の水の起源を探る重要な手がかりを観測する。

 同社は、はやぶさ2のほかにも、初代はやぶさ、月周回衛星「かぐや」など、これまでに約3000種の宇宙関連機器を開発してきた。

 宇宙関連機器は一度宇宙空間へ出てしまえば、修理修復はできない。このため、それぞれの部品には振動や放射線に耐えうる高度な信頼性が求められる。従来の機器は厳しい検査を経た高額な部品で作られることが一般的で、高コストだった。

 そこで同社が04年ごろから注力してきたのが「COTS」(コッツ)と呼ばれる民生品の活用だ。機器に使う部品を一から作るのではなく、すでにある民生品を活用することで短納期・低コストが実現できる。

 ◆毎日が試行錯誤

 しかし、民生品で作った機器がすぐに過酷な宇宙空間で正常に作動するわけではない。地上では想定されていない振動や温度、放射線に耐えられるよう、部品を機器の中で作り込み、トラブルが発生した際に正常な部品だけで補完できるような仕組みを構築しなければならない。明星電気の強みはこの民生品を宇宙仕様に作りかえるノウハウにある。

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