日本の国民食、ラーメン。全国には3万以上の店舗があるとされ、その規模は同じ国民食である牛丼のご三家、「すき家」「吉野家」「松屋」の合計店舗数(約4100)をはるかに上回る。ラーメン市場への新規参入は後を絶たず、年間の出店数は3000に上るとみられている。そして毎年、同じぐらいの店が“退場”を余儀なくされている。こうした中、にわかに注目を集めているのが、「10年続く店舗を目指そう」を合言葉に開業支援を行うメントレプレナージャパン(本部・東京都豊島区)の矢田裕基社長(44)。わずか2年間で26店舗の出店支援の実績があるラーメン業界の“風雲児”だ。
埼玉県新座市のラーメン店「麺屋喜乃助」店主の毛海(けがい)宗孝さん(42)は最初、FC(フランチャイズ)チェーンののれん分け制度に加盟したが、3000万円も費用がかかるうえ、いつ独立できるか分からずに脱会。続いて製麺所が主催するラーメン学校を卒業したが、開業に不安を抱いていた。
「もう無理なのでは」と諦めかけたとき、インターネットでラーメン店開業支援のホームページ「新のれん分けプロジェクト」を見つけ、矢田さんに会った。具体的な出店・経営戦略を聞き、「このやり方なら間違いない」と確信し、プロジェクトに加盟。2014年10月にオープンした。5カ月が経過した頃から急激に来客数が増え、リピーターも付くようになった。