風呂とサウナも、血行と新陳代謝の促進などに効果がある炭酸温泉を人工的に再現した「炭酸の湯」や、ジェット噴流で疲れや肩の凝りをとる「流泡の湯」「雲流の湯」など計14種類そろえた。汗を流した後は、世界31カ国の70種類のビールを楽しめるバーや、2万冊以上の漫画が自由に読める「コミックコーナー」でくつろげるほか、エステも体験できる。
あか抜けた雰囲気やサービスの多様さは、高齢者が入浴後にカラオケや宴会に興じる昔ながらの「健康ランド」「ヘルスセンター」のイメージとは大違いだ。特に週末は若いカップルや女性グループも多く訪れ、にぎわいを見せている。
「温浴施設は、年齢の高い層が主要客だが、最近は医療保険も削減され、節約志向も高まってきている。女性や若年層にも集まってもらえるサービスも提供し、ネクストユーザーを獲得しなければならない」
極楽湯の松本俊二専務はこう力説する。駐車場も完備し、入浴以外の飲食、マッサージ、美容といったサービスも楽しめるスーパー銭湯や日帰り温泉は1990年代に入り、都市郊外でハイペースで拡大していった。