24日付でアサヒ飲料の社長に就任する同社の岸上克彦専務が16日、東京都内で会見し、2013年に営業を統合したカルピスとの「シナジーを発揮させるため、意思決定のスピード化を図る」考えを示した。さらに、カルピスの乳酸菌や酵母の技術を活用し「“健康”を基軸にした新しいブランドを育成していく」方針を説明した。
アサヒ飲料はこれまでアサヒビール出身者が歴代社長を務めていたが、岸上氏はカルピス出身で「飲料事業に精通している」(本山和夫アサヒ飲料社長)のが強み。岸上氏は研究開発や生産などを担っているカルピスの社長も兼務する。
岸上氏は「成長と強靱(きょうじん)な収益体質」を経営の基本方針に掲げ、「三ツ矢サイダー」など強いブランドに磨きをかける考え。新たなブランド育成が必要との認識も強調した。
カルピス岡山工場に大型の設備投資を行い、カルピス製品を増産するとともにアサヒ飲料商品の生産も可能にする。これにより外部委託を減らし、利益率の改善を進める方針だ。
アサヒ飲料は、現在国内シェアが13%で業界3位にとどまる。ともに20%を超えるコカ・コーラグループと、サントリー食品インターナショナルの業界1位、2位に対し「両社の背中が見えるようなポジションを確保する」と中長期的なシェア向上へ強い意気込みを示した。