三越伊勢丹ホールディングス(HD)が傘下の百貨店で、役員並みの高給をとる「カリスマ販売員」の育成に乗り出す。2016年にも給与制度を改め、各自の売上額に連動した給料をもらえるようにする。消費税増税後の不安定な消費環境が続く中、他社との競争に勝つには販売力の強化が重要。同社は、好業績に高待遇で報いる環境を整え、有能で意欲的な販売員を増やす。
対象は約5000人いる正社員の販売員。販売員1人当たりの平均的な年間売上高は2000万~3000万円で、中には顧客とのコミュニケーション力に優れ、2億~3億円を売る販売員もいるという。
だが、販売員の給料は社の規定の下、年次や職能に基づき決まっている。多少業績に連動する部分はあるが、優秀な人と平均的な人の給料の差は「月1万円ほどにすぎない」(同社の大西洋社長)。