東京大学大学院工学系研究科の染谷隆夫教授、リー・ソンウォン博士研究員らは、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業として、湿布などのように体に直接貼り付けて生体情報を取得できるセンサーの開発に成功したと発表した。
人間の運動や生体情報を精度良く電子的に計測するには、センサーや回路を測定対象に直接接触させることで、計測の信頼性を改善できる。しかし、従来のエレクトロニクスはシリコンなど硬い素材でできており、装着時に違和感があったほか、生体のダイナミックな運動と干渉するといった問題があった。
東大では、厚さ1マイクロメートルで曲げ半径10マイクロメートルの有機トランジスタを開発済みだが、このたび、ポリロタキサンと呼ばれる環動ゲルの中にポリビニルアルコール(PVA)を均一に分散させることで、生体適合性に優れ、粘着性があり、光で形成できるゲル素材の開発に成功した。