スカイマークの西久保慎一社長は10日、記者団に対し、全日本空輸にも共同運航を柱とした業務提携を要請する方針を表明した。11月から日本航空と提携交渉を進めてきたが、公的支援で再生を果たした日航による単独支援に難色を示す国土交通省の意向を踏まえ、全日空を交えることで認可を得る方針に転換する。
来週にも全日空に提携を要請する。理由について西久保社長は「国交省から、(公的支援で再生した)日航には事業活動に制約があり、全日空とも(提携)してほしいとの話があった」と明かした。高収益の羽田空港発着便を中心に日航、全日空と共同運航を行い、搭乗率向上や増収を図り経営立て直しを急ぐ考え。
全日空には、日航との相乗りでの共同運航は「現実的ではない」(幹部)と否定的な声もある。西久保社長は共同運航の対象とする便を、日航と全日空の相乗りにならないように住み分けたいとした。その上で、全日空への提携要請は「スカイマークの業績回復が目的で、業界再編ではない」として、全日空からの出資は求めないと強調した。
一方、資金繰り改善に向け来年1月か2月に増資を行う考えも明らかにした。国内外の投資ファンド4社と交渉しており、このうち1社に第三者割当増資を実施し、出資比率25%未満で出資を受け入れるという。