日立製作所は13日、鉄道車両製造などを行う笠戸事業所(山口県下松市)で製造してきた英国向け高速鉄道車両「クラス800」の車両が完成し、報道陣に初公開した。日立が英国で受注した「都市間高速鉄道計画(IEP)」向け。車両製造は2016年初から英国で本格スタートする。
今回披露されたIEP向け車両は、電化区間は架線から電力供給し、非電化区間は床下のエンジンと発電機ユニットから電力供給できる「バイモード技術」を採用し、電化・非電化両区間の直通運転ができる点が特徴。
全体的にコンパクトなデザインに仕上げ、運転速度は最高で時速201キロ。最新の省エネ技術を取り入れた駆動システムを採用した。日立の正井健太郎理事(交通システム社社長)は、「軽量化など日本で培ってきた技術が生かされている」とアピールした。
今回、笠戸で製造し、公開した車両は、来年1月初旬に英国に搬送し、現地で試験走行などを実施する計画。日立は、英運輸省からIEP向けに122編成(866両)を受注しており、このうち12編成分は笠戸事業所で製造し、順次英国に搬送する。
残る110編成分は、16年初に英国北東部ダーラム州ニュートン・アイクリフで稼働を開始する車両製造工場で順次製造する計画。