【ビジネス解読】
中国には絶対負けられない受注争奪戦がインドで勃発している。インド初の高速鉄道プロジェクトをめぐり、新幹線の売り込みで先行する日本に対し、建設費の安さと鉄道に絡んだ魅力的な「おまけ」をセットに中国が売り込み攻勢をかけ、後出しジャンケンかのごとき戦法で勝ちをさらおうとしているのだ。
勝敗の結果は、後に続く他の新興国などでの受注争いの行方にも影響する。日本経済の将来を担うインフラ設備の輸出拡大を軌道に乗せるため、インドでのキックオフとなる受注は何としてでも勝ち取りたい。官民一体となった総合力と決意が問われる「天王山の戦い」となりそうだ。
7路線で全土をつなぐ
「新幹線技術をインドで展開できれば、新しい発展の可能性を発見できるきっかけになる」。JR東日本の冨田哲郎社長は7日の記者会見でこう述べた上で「商社やメーカーとともに、このプロジェクトをぜひ獲得したい」と、インド政府が計画している高速鉄道の受注獲得に並々ならぬ意欲をみせた。