■ネスレ「新ジャンル」 業界「根本的に同じ」
コーヒー大手のネスレ日本(神戸市中央区)が国内の4つのコーヒー業界団体を退会したが、その理由は「ソリュブル(可溶性)」と呼ばれるタイプが、インスタントコーヒーかどうかの判断だ。「技術革新で新ジャンルを作った」と主張するネスレと、「根本的にはインスタントコーヒーだ」とする業界の見解は真っ向から対立している。
ソリュブルは微粉砕した豆をコーヒー抽出液に混ぜて乾燥させる技術で、インスタントとレギュラーの“いいとこ取り”をした形。欧州では一般的に普及している名称だという。
ネスレは昨年9月、「ネスカフェ ゴールドブレンド」を刷新。インスタントコーヒーの表記をやめ、「レギュラーソリュブル」に全面的に切り替えた。技術の革新性を出し、差別化を図るためだ。しかし、お湯を注いで飲むという意味ではインスタントと同じ。さらに、「レギュラーソリュブル」の表記ではレギュラーと間違えて購入することへの懸念もある。