伊藤忠商事は24日発表したタイ財閥チャロン・ポカパン(CP)グループとの資本業務提携をてこに、岡藤正広社長が掲げる「非資源ナンバーワン商社」の地位を盤石にするとともに、業界トップの三菱商事、2位の三井物産の財閥系2社を追い上げる考えだ。
今回の提携をめぐる協議は、昨年11月にCPグループのタニン・チャラワノン会長兼最高経営責任者(CEO)が戦略提携を申し入れたことを機に始まった。
石炭など資源価格が低迷するなか、大手商社各社は軒並み、資源投資を抑え、安定収益に貢献する食料や化学品など非資源を強化する方針を打ち出している。とくに伊藤忠は食料や繊維部門の強みに加え化学品や機械など最終利益の約8割を稼ぐ屋台骨だ。今回の提携を機に非資源分野強化に向けアクセルを踏む計画だ。
今年に入り、金融取引の失敗で経営破綻したジーンズ大手のエドウインを傘下にいれ、2012年には米食品大手ドール・フード・カンパニーから食品加工とアジアの青果物事業の一部を買収するなど積極的な投資戦略を進めてきた。