ダイハツ工業は9日、軽自動車「ミライース」を一部改良して発売した。燃費性能をガソリン1リットル当たり従来の33.4キロから35.2キロに向上させ、スズキの「アルトエコ」(35.0キロ)をわずかに上回り約半年ぶりにガソリン車トップに返り咲いた。ライバルのスズキも対抗策を打ち出すのは確実とみられ、軽の燃費競争がさらに過熱しそうだ。
新しいミライースはエンジンの熱効率を向上させたほか、タイヤ周辺の空気抵抗を低減させるなどして低燃費化を実現。改良コストは部品の原価見直しなどで吸収し、従来モデルから価格を据え置いた。
ダイハツの中島雅之チーフエンジニアは同日の記者会見で「低燃費、低価格という軽の本質を究めようと開発した」と胸を張った。
軽の燃費競争は、ダイハツが2011年9月に初代ミライースを発売し、1リットル当たり30.0キロとガソリン車初の30キロ台に乗せたことで号砲が鳴った。対するスズキは同年12月に30.2キロのアルトエコを発売して、すかさず逆転。その後も抜きつ抜かれつの競争を続け、昨年12月以降はアルトエコがトップに立っていた。