東芝が半導体を生産する四日市工場(三重県四日市市)に今後3年間で7000億円規模の設備投資を実施する方向で調整していることが11日分かった。世界的なスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末の需要増に対応する。最先端設備を導入し、世界シェア首位の韓国サムスン電子を追撃する。
東芝は提携する米半導体大手のサンディスクと折半し、数回に分けて設備投資を行う。四日市工場では、スマホなどのデータ保存に使う「NAND型フラッシュメモリー」と呼ばれる半導体を生産している。
スマホやタブレット端末の需要増を受け、東芝は昨夏から四日市工場の第5棟に新棟の建設を開始した。新棟は夏にも完成し、秋から平面基板に回路が微細に敷き詰められた最先端の半導体の量産を始める。来年には次世代の積層タイプの3次元フラッシュメモリーの量産も行う予定だ。この新棟には当初4000億円規模の設備投資を想定していたが、それよりも上回る見込み。新棟以外にも最先端の設備に入れ替える計画で、これらも含めて需要動向を見ながら、7000億円の投資を実施する。